映画『セイント・フランシス』アメリカ版非正規30代女性の自分探し

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ーネタバレを含みますー

映画『セイント・フランシス』自分探し、ひと昔前日本でも盛んに言われていたんですが、最近はあまり耳にしなくなった感じです。30代未婚の独身女性の不安と焦りを題材に、アメリカ社会という厳しい現実の中で主人公は、いかにして答えを勝ち取ったか。

日本もアメリカも状況は同じなのかな

30代の非正規労働者の主人公。

大学は、一年で中退。

仕事は、レストランの給仕。

独身で、子供はいない。

一応、一人暮らしをしており両親からは、自立した生活をしている。

しかし、つい同年代の友人と比べてしまう。

友人は、結婚して子育てに夢中。

あるいは、充実した仕事を得て確実にキャリアを積んでいる。

主人公からしたら、自分より充実した人生を送っているように思えてならない。

それに比べて、非正規労働者の自分は、一体何をしているんだろう。

両親からは、結婚を勧められ。

自分としても焦りばかりが募る毎日。

日本にもたくさんいそうなパターンです。

当日は、主人公と同じ年代と思しき女性一人の入場者が多かったのも納得。

男からはわからない女性特有の感覚

こればかりは、男からは想像の領域をでない。

映画は、女性だけの悩みを多く取り上げている

妊娠と中絶、生理。

これらの出来事を女性の目線から描いている。

このパターンってありそうで、今までなかったよなと感じ入ってしまう。

女性は、生理の時こんな苦労があるのか、なんて所に感心してしまう。

アイデンティティという古くて新しい問題

主人公は、夏休みの子守のバイトをする中で、自らのアイデンティティを獲得してゆく

それは、子守(ナニー)の家庭の環境とか、その家族の生き方。

そして、そこに関わることで、自らの問題としても自らと向き合う主人公。

人それぞれで有り様が違い、それを受け入れるということとは

そんな問題提起をしてくれる。

なかなか心地よい映画です。

それでいて、アメリカ社会というものを身近に感じさせてくれます。

そう、アメリカ社会は、日本と違って、自らを主張しないと誰も自分をわかってくれないということ

そして、彼らは、主張の違う相手とでも自らの主張の仕方のルールを日常から使っているということ。

これは、日本ではなかなかできないことだと。

ただ言いっ放しになるのではない、互いに考え方が違ってもそれを互いに主張しあい、そして結論にたどり着く。

解決はしなくても、互いの有り様を理解する事はできる。

このあたりは、日本ではあまりお目にかかれない。

日本では、おもんばかる社会だし。

自分を主張する、主張しすぎることは、嫌われる

彼女なりの人生を見つけてゆくだろうな。

そう思わせる、映画の終わりを感じさせる。

人それぞれなのでいいんだと。

答えは、あくまでも自分で見つけてゆく。

アメリカという厳しい社会で、生きてゆく独身女性

テーマとしても興味深いし、それを日常感覚で描いているいい作品。

ただ、誰でも彼女の様には行かないだろうなと。

そう、彼女は、経験のなかから勝ち取ったのだから

映画『セイント・フランシス』公式サイト:https://www.hark3.com/frances/#

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