喉元過ぎれば熱さを忘れる何処かの国とは大違い。
作品は、ドイツの著名な弁護士フェルディナント・フォン・シーラッハの同名小説の映画化です。
今でも、ドイツでは第二次世界大戦の自らの犯した過ちと真摯に向き合っています。
そんな姿勢を感じさせる、力強い作品です。
過去に犯した過ちに対して、一つの事件を通して検証して行く。
それは、当事者にとっては、早く忘れたいことなのだと。
しかし、映画作品は、それを許しません。
映画の中だけではなく、この小説による問題提起で現在でもドイツで検証が続いております。
日本では、すでに過去のものになってしまった。
毎年8月が来るたびに、その思いは一層強くなります。
先の大戦の経験者が少なくなればなるほど風化は進んで行くんだろうと思えます。
そして、過去の過ちを検証するのではなく、ことさら美化する風潮もいかがなものでしょうか。
学校の授業でもどんな教え方をしているのでしょうか。
私達はもっと関心を持つべきだと思うのですが。
加害者と被害者ではその温度差は違います。
被害者の方が、その傷が中々癒えないのは当然の事ではないでしょうか。
この作品は、その事を痛切に感じさせてくれます。
久しぶりに公開される『東京裁判』
2020年8/1(土)より渋谷ユーロスペースで上映されます。
反骨の名匠・小林正樹監督が5年の歳月をかけて編集した、先の大戦の戦争責任を裁く裁判記録のフィルムから構成されております。
1983年公開で、第35回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を初め国内外で絶賛されております。
277分に及ぶ大作です。
この作品を見に行こうと思ってます。
そして、先の大戦とは、今一度考えてみたいと。
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