コロナ禍で中止していた舞台の再開
ほぼ、5か月にわたる休演を経て歌舞伎座が興行を再開いたしました。
第一部 連獅子
第二部 棒しばり
第三部 吉野山
第四部 世話情浮名横櫛 源氏店
『八月花形歌舞伎』と銘打っての公演です。
まあ、再開の足慣らしと言ったところでしょうか
比較的軽い演目といっては怒られそうですが、お馴染みの作品を並べた感じです。
普段の公演だとこの四つの出し物で一公演と言ったところでしょうか。
それを四部に分けての公演となります。
まあ、役者さんもコロナ禍での公演再開、主催者の松竹も感染予防をしながらの公演と難しい再開ですね。
ここで、クラスター発生なんてことになろうものならまた公演中止にもなりかねないですから。
慎重にならざる負えないのは致し方のないところ。
一演目でこの入場料は高い。
あくまでも、コロナ禍での手探りとはいえ、一演目でこの料金はいかがなものでしょうか。
- 1等席8,000円
- 2等席5,000円
- 3階席3,000円
※1・2階桟敷席および4階幕見席の販売はございません。
座席間隔を開けてとなるので、満席でも普段の半分以下の観客数となるのでしょうがないのでしょうか。
しかし、筆者としては、一演目だけでこの入場料を出したくはないのが本音です。
松竹もあくまでも興行ですから、しかたがないのでしょうが。
本格的再開の足慣らしであるなら、料金もそれなりにしていただきたかったのですが。
さらに、一幕見がないのは残念ですね。
三密を避ける意味合いだと思うのですが。
いつも一幕見席は満杯ですから。
まあ一幕見席といっても、座れずに立ち見なんてこともあるぐらいで。(消防上大丈夫かなといつも思っていました)
それだけ、歌舞伎人気があるのと、ちょっと一演目で雰囲気を楽しみたいという客が多いのだと思うのですが。
以前から、今までの2部制の興行形態は、時間が長すぎて今の生活様式に合わないと思っていたので、せめて3部制位でやってほしいと常々願ってたのですが。
今回実験的ともいえる4部制は、いいと思うのですが
料金はもう少し考えてほしいですね。
1等席、2等席は予算に余裕のある方ですから、この金額でもいいと思うのですが。
芝居好きの通う3等席は、映画1本並みにして欲しかったですね。
この国の文化政策の貧困さ
松竹は民間企業ですから、致し方のないところもあろうかとは思いますが、それなら再開に対しての助成なりがあってもいいのではないかと思います。
これからは、以前のような興行形態に戻る可能性は何とも言えず。
そうなると新しい形態での興行となると、その経費を入場料に添加となると、芝居好きは早々通えなくなってしまいます。
民間企業に国の重要舞台芸術の伝承を任せきりというのはいかがなものでしょか。
国立劇場という存在はありますが、歌舞伎の常設小屋としては欠陥劇場ですし。
今後の再開の計画も今だたっていない様子で。
ここ数年、いやそれより前から国立劇場は元気がないですね。
民間と良い意味での競争をしつつ伝統文化の継承をしてもらいたいのですが。
この国の文化政策の貧困さを見る思いです。
まあ、八月の歌舞伎座再開を歓迎ということで、今回はよしとしたいと。
願わくば、この機会に新しい興行形態を今の生活様式に合わせて構築していただきたいものです。
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