結成33年の老舗劇団、それもアングラ野外劇にこだわった貴重な存在。芝居の楽しさをまるで大道芸の延長の様に演じる劇団。理屈も何にもいらない、ただ五感を使って芝居を感じよう、叩きつける様な作者の言葉の数々に酔いしれるままにその世界を浮遊しよう。
カオスをたたきつけてくる舞台『出雲阿国航海日誌』

お馴染み、「水族館劇場」の公演。
こだわりを持ち続ける劇団っていいよね。
けっして、世の中の流れに迎合することなどしない。
わが道を行く。
それでいて、けっして独りよがりではない。
ノスタルジックで、甘く切ない舞台演出。
作者の感性を観客にストレートにぶつけてくる。
そう、作者桃山邑の感性がほとばしる舞台。
時代は、出雲阿国の時代から、昭和の沖縄、路地裏、山里の庵。
時と場所を変えて、桃山邑の言葉で思いのたけをぶつけてくる。
15分間の外芝居(野外劇)と2時間のテント芝居

当日の構成。
テント公演は、おなじみ本水を使った大掛かりな仕掛け。
とてもアマチュアとは思えない。
ただ、今回は諸事情から台本が遅れたため役者に台詞が入ってなかった。
残念だけど仕方ない。
何となくそれが許せてしまう不思議な空間。
入場料\4000は、けっして安くはないんだけど。
まあそんなことはいいや、なんておおらかな気分になってしまう。
芝居を楽しむ雰囲気が、そこにはある。
そうだよな、インターネットの中にはない、生の人間のドラマチックな空間がそこにはある。
やがて完成されたときの『出雲阿国航海日記』を想像して
そう、そんな楽しみを感じながら舞台を楽しんでる自分がいて。
いいよね、この劇団。
そう固いこと言わずに楽しんでいってと言う姿勢が。
なんか今の時代、こういういい加減さが失われてしまったよな。
よくプロの劇団の公演だと、完璧を目指す。
あたりまえだけど、たとえわずかでも入場料とる以上完璧でなければ。
まあ、そんな厳しさも大事なんだろうけど。
楽しければいいじゃない、大道芸に投げ銭感覚。
そう固いこと言わずに、一緒にお芝居作りましょうよ。
時と空間を共有する体験。
東京都羽村市、臨済宗宗像寺。
武蔵野の地を存分に味わえる贅沢な空間です。
水族館劇場公式サイト:https://suizokukangekijou.com/


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