韓国ホラー『死を告げる女』人間の無意識下に押し込まれたドロドロが、意識下の行動を支配する。それが、いい方向なら問題ないのですが、それでは映画にならない。描き方は、少々古臭い感は否めませんが、無意識下の引き起こす問題の恐ろしさを垣間見る作品。
韓国スリラーの一つの流れか
近年催眠療法を映画に取り入れた作品をよく見かけます。
今回の『死を告げる女』も昨年池袋で上映された『ヒノプシス/催眠』とよく似たコンセプトを使っています。
事件の真相に迫ってゆく、催眠療法の場面などは、その小道具が酷似するほど。
このあたりは、ひと工夫あってもいいのかなと。
まあ、催眠療法が一番映画にしやすいとは思うのですが。
その他にも、本人が気づかない無意識の領域に治療目的に分け入るのは、自由連想法などいくつかあるのですが。
たしかに、催眠療法が映像にはしやすいですよね。
術者の誘導に従って、無意識下に分け入る患者。
その患者の見るイメージを映像にすればいいわけですから。
新しいようで、結構昔からある見せ方ですよね。
女性ニュースキャスターという花形職業
主人公の置かれた立場です。
しかし、熾烈な競争社会で、その立場を維持する難しさ。
表のきらびやかさとは裏腹な、ドロドロした部分。
そのあたり、催眠療法を使い、女性ニュースキャスターのドロドロした部分に入りこむことには成功したようです。
ただ、催眠療法という使い古された方法だけでは、何処かものたりないのも確か。
無意識という怪物
だれでも、意識とその裏に無意識の領域をもっており。
無意識は無意識であるための理由があるわけで。
それをかってに、意識下に引き上げると危険なのですが。
ですから、映画の様にそれを施すのは、医者の領分で。
そう、誰でも意識下にあるドロドロした部分。
それが、大人になるに従って、次第に解決、昇華される過程があれば問題ないのですが。
そのドロドロが、あまりにも大きく本人のパーソナリティーに歪みがあれば、生活に支障が出るわけで。
そのあたりを上手く映画化したのが『死を告げる女』でしょうか。
ただ、今後はもうひと工夫と言いますか。
特に無意識という形にないものですから。
もう少しわかりやすくする工夫と、新しい描き方が、要求されるのでは。
映画『死を告げる女』公式サイト:https://klockworx-asia.com/anchor/
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