『六月大歌舞伎』猿之助一座の崩壊の始まり歌舞伎自体も消え去る運命

『六月大歌舞伎』ポスター 歌舞伎・お芝居の世界

市川猿之助の騒動で俄然注目を浴びる歌舞伎『六月大歌舞伎公演』に行ってきた。騒動の注目度もあったためだろう、満席で盛況であったけど、中身がそれに見合っているとは思えない、もちろん見たのは、昼の澤瀉屋一門の舞台だけだけど、暗雲たちこめる歌舞伎界。

市川中車40歳でバレーを始めたものが舞台に上がるようなもの

クラシック音楽やバレーダンサーで身を立てようとする人は、三歳おそくても五歳から習いはじまるのが普通。

古典芸能でも同じこと。

歌舞伎役者は、幼い頃から習い初めて体にその所作やセリフ回しを叩きこまないとできるものではない。

国立劇場が研修生を養成するのも20歳まで、そこがギリギリの線。

いわんや40過ぎて、いくら映画やドラマでその演技が定評あろうが、論外

器用で努力家である中車は、それっぽく役をこなすのはわかる。

いかんせん、歌舞伎役者ではないのだ

それは、もっと早くにお稽古で叩き込んでゆかないと身につくものではない。

でも、かれ中車(香川照之)が引っ張ってゆかなければならない事情に。

すでに、無理がある。

猿之助の欠けた澤瀉屋の運命

歌舞伎の将来とも重なる。

アニメとコラボした時点でもう歌舞伎は終わっている

そう、これを進めたらもう歌舞伎役者はいらない

でも、松竹はあくまでチケットが売れてなんぼの会社。

歌舞伎を存続されるために会社が傾くことなどしない。

数少ない、チケットの売れる役者猿之助が今度の騒動。

團十郎は、子供をだしにチケットを売る始末

仁左衛門は年齢的に多くを望めない

玉三郎は、本興行からの引退を表明している

その他の音羽屋勢や他の面々は御曹司のゆるゆる芝居で、客は呼べない

漁師

歌舞伎の崩落は止められるか。

正念場だと。

澤瀉屋は、とにかく追い詰められている。

だけど、追い詰められた者が見せる芝居に凄みが出て充実した舞台を生むこともある

実に因果な商売である

だから、澤瀉屋の今後には注目している。

ただ、その他はというと先にも触れたようにあまり期待はしていない。

猿之助自体も、言っていたように100年後には、歌舞伎役者は、いなくなっている

私もそう思う。

残念だけど。

だって、あんな封建的社会。

主役だけでは成り立たないのに、役やセリフをもらえるのは、御曹司や一部の者のみ。

その他大勢、いわゆる三階さん(大部屋役者)は、月手取り20万に満たない薄給で。

誰もやらないよな。

それでも歌舞伎を愛する

若手で、芸も考え方もしっかりした者もいる。

彼らに一途ののぞみは持っているものの。

いっそ、一回現在の興行形態が潰れたほうがいいとも思ってしまう。

マンネリ化した演目とアニメ化は、見たくもない

歌舞伎は、博物館で見る時代がやってくるかもしれない。

しょうがない。

過去の名舞台、DVDが普及してからの舞台の映像はそれなりに販売しているのですが。

もっと古い、貴重映像も含めて、できるだけ多く公開してほしいと思うだけである

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