日本の伝統文化でありながら、なかなか敷居の高い歌舞伎、じつはとっても面白いんです。どうか一度勇気を出して歌舞伎座にいってみてください、かならずやあなたをタイムマシーンに乗せて、江戸時代に連れて行ってくれます。江戸文化に浸ってください。
歌舞伎って難しい?
いいえそんなことはありません。
所詮、江戸時代の庶民の娯楽ですから。
ただセリフに使われる言葉で、そのあたりは変わってきます。
大きく分けて、歌舞伎の演目は、町人(いわゆる庶民)を主人公にした世話物(せわもの)と、武士(サムライ)を主人公とした時代物(じだいもの)とに大きく分けらます。
世話物は、使う言葉も現代語にちかく、まったく歌舞伎に予備知識がなくても、比較的分かりやすく芝居の世界に入ってゆくことができます。
代わって時代物のほうは、我々が普段使うことばは、あまり出てこず、何というか文語調とでもいうか、当時の武士が本当にこんな言葉だけで生活してたのか?と思うくらい、なにを言ってるのかさっぱり分からないなどというときが、けっこうあります。
では、何故セリフがわかりずらい芝居がもてはやされたのかというと、当時(江戸時代)庶民は武家社会とは交流するかとはできず、よって武家社会はどうなっているのかさっぱりわかりませんでした。
ですから、芝居を見て武士の生活を垣間見ていたのです。
話は長くなりましたが、そんなわけで、分かりにくい時代物はわきに置いといて、歌舞伎入門として世話物から入ることにしましょう。
江戸時代にタイムスリップ
では、どんな作品が世話物なのということになりますが。
東銀座にある歌舞伎座の2019年10月の演目から見てゆきましょう。
昼の部 1)廓三番叟 2)御摂勧進帳 3)蜘蛛絲梓弦 4)江戸育ちお祭り佐七
夜の部 1)三人吉三巴白浪 2)二人静
さあ、訳が分からないでしょう、何となく昼の部 4)江戸育ちお祭り佐七がなんとなくそうかなぐらいですよね。
この分かりずらさが、歌舞伎からひとを遠ざけている原因なのかもしれませんが、この一見小難しそうなのが、江戸っ子には粋ととらえられていたんですね。
ですから、演題を検索してみて、その作品が世話物であるか、あるいは町人(庶民)が主人公であるかで判断するのがよいかと思います。
手軽に一幕見席を利用して入門しよう
2022年8月現在では、一幕見は復活してないのですが。
さあ、世話物の作品も選べたし、いざ観劇に。
ちょっと待ってください、いきなり通しで観るのもけっこうきついですよ。
昼の部、夜の部それぞれ休憩時間もいれて4時間はありますから。
そこで、おすすめなのは、東銀座にある歌舞伎座の一幕見席です。
普通観劇料金は18000~4000円となっておりますが、一幕見とは一つの演目(長い作品は半分のときもありますが)を800~1500円位で観ることができます。
入場口は正面の左側で、一般の入り口とは別になります。
座席は、いわゆる天井桟敷と呼ばれる(最近ではこの言葉あまり使わないけど)三階席の最後列2列が一幕見席となります。
一般席とは、区切られているので、入り口が別々となるわけです。
私が、歌舞伎を初めて観た50年近く前は、座席も狭く建て替える前の歌舞伎座でしたので、なんとなく貧弱な席でした。
観客も少なく、どちらかというと通の通う席、芝居好きの人の席という感じでした。
いまは、座席もきれいになり、以前は階段しかなかったのですが、エレベーターもつき、なかなかの人気です。
忙しいこの時代に、お芝居を手軽に楽しめるのが、その人気のようです。
人気役者さんがでると、入れないこともあります。
だいたい、チケット売り出しの1時間前に行くようにしています。
チケットは、あくまでも当日券で、発売時間は劇場に直接たずねるか、歌舞伎美人(https://www.kabuki-bito.jp)というサイトで、歌舞伎座をクリックすると、ニュースという項目で出ています。
さあ、江戸時代への時間旅行はいかがですか。
十分あなたを満足させてくれるはずです。
早く一幕見席と掛け声の復活を切に。
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