ネイティブアメリカン、インディアンの過酷な社会。
アメリカの先住民族である彼らインディアンは、西部劇ではいつも悪者として描かれてきたが、現実は違うようで。
もともと先にアメリカ大陸に住んでいたのは彼らのほうで。
あとから来た白人達が彼らの土地を取り上げ、彼らを劣悪な居留地に押し込めたというのが実情で。
まさに本作品は、その過酷な居留地で生きて行かねばならぬ彼らの現状をみごとにドラマ化している。
ネイティブアメリカンのおかれている現状。
2000年の国勢調査では、その数は247万人、都市部ではニューヨークに87000人ともっとも多く住んでいるが、多くは、過去の歴史が物語るように、豊かな土地を取り上げられ不毛の地に強制移住させられてきた歴史がある。
人権を無視され続けた彼らの置かれている現状も悲惨だ、一旦破壊された民族のアイデンティティーを回復するのは、そう簡単でない。
アルコールやギャンブルに耽溺するものも多く、居留地での彼らの生活は、貧困の極みではないか。
サウスダコタ州のパインリッジ居留地では、1999年の統計で平均年収は、アメリカ人の平均の3分の1にすぎず、失業率は3倍の85%にも及ぶ。
平均寿命は、男性47歳女性50歳代前半である。
居留地が辺境で不毛の地であることから。政府からの補助金がでるため、勤労意欲がそがれるのも大きな問題である。
ワイオミング州ウインド・リバー、インディアン居留地。
この映画の舞台となる、インディアン居留地である。
そこで、起きる少女の殺害事件の解決のために派遣された新米FBI捜査官とそれを助ける、ハンターの物語である。
とにかく、インディアン居留区と厳しい自然、いかに不毛な地であるか。
しかし、そこで生きて行かなければならない、彼らの現実がいやというほど伝わってくる。
見事な作品である。
過酷な条件下で生きて行くには、タフなければ生きては行けない。
そんなことをつくづく思い知らされる、作品である。
そんな生き方が私にはできるだろうか。
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