話のスジより画像を優先した感じ
時間軸のずれとか、見ているとどういう事と、お話が見えにくくなる作品です。
しかし、後から冷静に考えるとそんなに複雑なストーリーではなく。
一つ一つの場面を綺麗に撮ろうとした結果、ストーリーが後回しになった感があります。
今話題の監督ですが、結構好みの分かれるところではないでしょうか。
もっと、ストーリー仕立てをスッキリと分かり易くしてもらいたいなと思ってしまいます。
時代は現代中国2012年中国南部。再開発から取り残された鵞鳥湖が舞台となります。
急激に発展する中国、その中で取り残される地方都市そんなアンバランスな風景が、スチール画の様にスクリーンにちりばめられます。
このあたりがディアオ・イーナン監督の得意とするとことでしょうか。
画面から伝わる緊張感はさすがだと、観る者をうならせます。
2019年のカンヌ映画祭で話題をさらっただけの事はありますね。http://wildgoose-movie.com/
中国映画の今後とディアオ・イーナン
今や北米と肩を並べる、いやそれ以上となった中国映画界。
興行収入は日本と一桁違うと言われるほどその市場の大きさが桁違いです。
中国の年間観客動員数は世界1位、興行収入が世界2位、スクリーン数が世界1位とまさに映画大国です。
ハリウッドと肩を並べると言っては過言ですが、今後もかなりの予算を掛けた映画も含めかなりの本数が製作されると考えられます。
しかし、そこは中国共産党による一党独裁国家、何でも映像にできるかと言えば、難しい面があります。
当然政権批判はご法度ですし、製作にも大陸ルールなるものがあり。
悪が栄えるという内容の製作は厳しく、勧善懲悪的にならざる負えないところは苦しいですね。
これだけの産業に成長したのですから、そこには優秀な人材が豊富にいることも事実です。
今回のディアオ・イーナンに限らず、多くの新しい監督が紹介されることになると思います。
しかし、その表現が限られた範囲から出られないところに中国映画界のジレンマがあるのではないでしょうか。
とにかく、今後の動きと上映される作品からしばらくは目が離せないのではないでしょうか。。
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