1990年代ロサンゼルスでスケボーに夢中になる13歳の少年の青春映画、やがて大人になる前での好奇心や苛立ち、スケボー仲間の年長者が、グループ最年少の主人公をなにかと面倒見てやる姿が、なかなかほっとさせてくれます。自らの青春と比べてみてはいかが。
誰にでも経験あるでしょう
1990年代のロサンゼルスを舞台に、13歳の少年の成長を描いた青春映画です。
2018年アメリカ製作、監督ジョナ・ヒル。
あの頃は、まだインターネットなぞ普及していなかった時代。
アナログ時代の終盤とも言える時代でしょうか。
かえってそれが、新鮮というか、誰かとのつながりを作りたかったら勇気を出して自分から、アタックしなければならなかった時代。
さしずめ今だったら、パソコンの前にすわり、いやもっと簡単にスマホで簡単に人と繋がれる時代ですが。
どちらが良いかは一概に言えませんが。
確かにアナログ時代の方が絆が深かったと感じさせる作品です。
背伸びをして悪仲間とつるむ
作品の13歳の主人公は、スケボーを通じて年上の仲間に入って行きます。
向こうだってそう簡単に仲間にはしてくれません。
主人公は、積極的とまではゆかないですが、なんとか近づきたい、そんな動作がいじらしいですね。
はたから見ると悪グループ。
しかし、中にいるメンバーは、いずれもなにかしら家庭に問題のある子供が多かったり。
つまり、家に居場所がないから外でたむろする。
確かに悪ガキだけど、それぞれ憎めないキャラクターがメンバーにそろってます。
主人公も含め、お互い似かよった家庭事情を抱えているところが引き合うのでしょうか。
やがて、グループ最年少で仲間になれた主人公は、生き生きしてきます。
大人は判ってくれない
フランソワトリフォーの映画で『大人は判ってくれない』という名作がありますが。
まさに、その作品を時代をかえて描いた作品。
大人は、見た目や目につく行動だけで子供たちを判断しますが。
彼らには、彼らなりの理由があるわけで、いつの時代も大人は判ってくれないですね。
彼らにとっては、ある意味家族、それ以上に大事なんでしょうね。
居場所なんです、それもかけがえのない。
やがて、彼らも大人に
いつまでも子供のままでいられたら、それは楽しいでしょう。
しかし、いつかは厳しい大人の世界に入っていかなければならない。
そんな、目に見えないプレッシャーから逃れていたいからでしょうか。
彼らが、悪さをするのは。
大人になるということの厳しさを、どこかで薄々とは感じていながら。
その苛立ちからのがれたいために、悪さをする。
それが、大事や事件、悲しい結末にならないでほしい。
だから、親は口出しするのでしょうね。
悪ガキグループからそのまま本当の、反社会的グループになる者もいますし、それは人それぞれ。
さあ、作品をご覧になって、彼らの将来がどんなものになるか想像してみませんか。
少なくとも、作品中の少年たちは見た目は悪でも、ひたむきですよ。
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