1979年大韓民国中央情報部部長、金載圭(キムジェギュ)による韓国大統領、朴正煕(パク・チョンヒ)暗殺事件を取り上げた映画『南山の部長たち』私憤なのか、愛国心からなのか、その歴史的評価は未だ出ていませんが。作品を通してそのあたりを推測してみるのはいかがでしょか。
1979年朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件
映画の題材です。
朴正煕は、1961年軍事クーデターで国家再建最高会議議長に就任し、1963年から1979年まで大統領を務めました。
彼の時代から約30年間にわたり『漢江の奇跡』と呼ばれる高度経済成長期を実現させたことが評価をされております。
その一方で、民主化運動を弾圧し「独裁者」としての批判も受けております。
映画は、後者の「独裁者」としての姿を色濃く描いでおります。
実際、彼の時代、韓国民主主義はまさに冬の時代であったわけで。
その、強権的手法は恐れられておりました。
その辺りは、映画の中でも感じ取ることができると思うのですが。
実行犯、大韓民国中央情報部(KCIA)の金載圭(キムジェギュ)
大韓民国中央情報部(KCIA)第8代部長です。
朴正煕(パク・チョンヒ)と金載圭(キムジェギュ)についてもう少し触れておくと。
朴正煕(パク・チョンヒ)は、軍隊を率いてクーデターに成功し政権を奪取した軍人です。
かたや金載圭(キムジェギュ)は、朴正煕(パク・チョンヒ)とは同郷で、国防警備隊士官学校では同期生ですが、9歳年下です。
朴正煕(パク・チョンヒ)に縁故人事で引き立てられて出世し、大韓民国中央情報部になるわけです。
その腹心が主人を暗殺するのですから。
そこに、なにがあったのか興味のわくところなのですが。
韓国民主化の通過点
そう考えるのが妥当な気がします。
暗殺の実行犯金載圭(キムジェギュ)を軍事独裁政権に終止符を打った民主化運動の愛国者と言う評価もあるのですが。
実際には、朴暗殺後も全斗煥によるクーデター、後の独裁を招いたことを考えると愛国者という評価は難しいのでは。
映画でも、そのあたりははっきりしません、暗殺に周到な計画とその後の行動にきちんとした方向性を持っていたのか、はっきりしません。
そのあたりは、作品を見てのそれぞれ判断にゆだねるとして。
私としては、あくまで韓国民主化の通過点であった気がしてならないのですが。
その辺りをじっくりと鑑賞していただければ、幸いです。
にほんブログ村
コメント