少年院帰りの為に神父になりたくてもなれない少年。しかしひょんなことから神父になりすましてしまいます。ポーランドの片田舎、村社会。そんな中で、神父として村人とかかわって行く姿。彼は本当に神父なのではと思ってしまいます。何とも不思議な感覚です。
舞台はポーランド
作品は、ポーランド、フランス合作作品ですが、舞台はポーランドです。
少年院帰りの主人公が、教会の神父になりすますお話です。
まず、このお話には、前提条件がつきます。
つまり、カトリック教会でなければおこらないお話です。
キリスト教には大きく分けて、カトリックとプロテスタントがあるのですが。
カトリックは、世界的にローマ法王を頂点とした、一つの団体です。
かたやプロテスタントは、数えきれないくらい団体があります。
それぞれ教会があるのですが、責任者というかそれぞれの教会の指導者をカトリックでは神父、プロテスタントでは牧師と呼びます。
そして、指導者たる神父ですが、これはカトリックの決まりの中で、神学校をでていくつかの条件をクリアして初めて、神父として任命されるわけで。
そこで、映画の主人公は前科があるため、神学校に入れないのです。
よって神父になれないわけです。
プロテスタントはというと、まず団体ごとで神学校なりを作って牧師を養成しているわけですが、前科のある牧師も存在します。
まず、プロテスタントは牧師としての基準があるようでないような、それぞれの団体というか教派が、それぞれの基準を作っているわけで。
星の数ほどの教派のあるプロテスタントですから、勝手に教派を作り牧師を名乗ることも可能なわけです、まあ極端な話ですが、そんな牧師もいるのは確かです。
ブライダル牧師なる不思議な存在
結婚式をキリスト教式で行う方も多いと思いますが。
あの式次第を行う牧師ですが。
教会で結婚式を挙げるなら、その教会の牧師が行うことになるのでしょうが。
結婚式場となると、本当に牧師なのか疑わしいところです。
ブライダル牧師会なる団体があるのですが、株式会社でなんでと思ってしまいます。
先にも述べたように、プロテスタントは各教派ごとに牧師を育成しているわけで。
極端な話、勝手に牧師を名乗ることも可能なわけで。
結婚式場の牧師がすべてそうだとは言えませんが、いつも釈然としない気持ちになります。
神父になりたかった主人公
結局にせ神父を演じるわけですが。
周りもそれを受け入れるぐらい、彼は神父になりきってました。
そのあたりの村人とのやりとり、主人公の葛藤。
村人の忌まわしい過去の事件に対する、主人公の関わり合い。
聖職者らしいかかわりあい方をするのが、見ていて不思議な感覚になります。
ポーランドというヨーロッパの中でも、決して裕福ではない国。
また、白人系アメリカ移民の中で最もその地位が低いとされるポーランド。
酒とたばこと喧嘩、荒々しい人々。
村社会の窮屈さがよく表現されております。
映画は、そんなポーランドの断面を見せてくれます。
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