冬のソウルを詩人の眼差しで語る『夜明けの詩』決して万人受けしない

映画『夜明けの詩』ポスター 映画館

ーネタバレを含みますー

忙しさにかまけて、人生をふりかえることなどする暇もない。映画『夜明けの詩』は、人生をかえりみることで、明日が見えてくる。そんな、4つの物語に耳を傾けてみる。元旦という、普段とは異次元の時間と空間が、この映画を見るタイミングチェーンだと思う。

イギリス帰りの作家

まず、この設定からして、韓国らしくない。

なにが、韓国らしいなんて、偏見にすぎないのですが。

この主人公の作家が、実に静かで、韓国人のイメージがない。

物腰やわらかで、柔軟性に富んで。

そんな、作家と4人の登場人物とのそれぞれの会話だけで、映画は終わる。

見ている方は、なにかあっけにとられてしまう。

さあ、これから本題かと思ったところで、映画は終わってしまうのです。

元旦に見れば、いい作品かな。

今は、正月と言ってお店は休みになるわけでもなく。

街は、普段とそんなに変わりなく動いています。

しかし、1980年頃までは、正月特に元旦は、お店はお休みのところが多く。

でかけても、食事するところさえ満足に空いているわけでもなく。

おまけに正月料金とかいって、コーヒー一杯でも普段の5割増ぐらいの値段でしたし。

それに、元旦は、家族ですごすという風習とまでは言いませんが、そんな雰囲気が社会にはありました。

ですから、自宅でのんびりと映画でも見るかなんてことになりまして。

そこは、普段やっている映画というよりか。

旧作の日本映画なんて妙にはまる感じがありました。

忙しい時は、じっくりと見ていられない。

役者一人一人のセリフに聞き入る

そして、なんとなく人生をしみじみ考えてしまう

登場人物との会話から想像力を働かせる。

なんたって、4人の登場人物との4回の会話場面だけですから。

じっくりと、そのセリフを聞き逃さないようにしないと。

ただ、映画館でこの作品を見るのは、眠気との戦いですが。

だから、自宅で、できれば元旦に鑑賞するのが、ベストかと。

新年の幕開けは、『夜明けの詩』からスタートするのは、いかがですか。

ただ、DVDリリースされていればですが、ゴメンナサイ。

冬のソウル

エネルギッシュな韓国のイメージは、映画の中にない。

4人の登場人物を通して、それぞれの人生を語る。

成功談などそこにはない。

そこには、変えられない現状への積年の思い。

いままでの、自らの人生を振り返り、その道すがらを言葉に置き換えてゆく。

ただそれだけ。

だけど、言葉にできることで、明日に向かえる。

そう、明日が見えてくる。

ある人には、厳しい現実。

ある人には、新たな歩みに向かった望み。

そう、作品は、明日に向かってなのです

だから、正月にはまる。

映画『夜明けの詩』公式サイト:https://synca.jp/yoakenouta/

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