映画『ルッツ』まるで、ルキノ・ヴィスコンティの『揺れる大地』へのオマージュと受け取れる作品。時代の流れに抗う一人の漁師、彼のかたくなさを理解しつつも生活の為、現実的方向に苦悩しながらも流れて行くのにも納得できる。人は時として「風にそよぐ葦」にならざる負えない・
地中海マルタ島の漁師
![サンセットの無料画像](https://i0.wp.com/himabu117.com/wp-content/uploads/2022/06/boat-gfda9c319f_1280.jpg?resize=600%2C398&ssl=1)
ルッツと呼ばれる小舟を代々受け継いで、ほそぼそと漁に生きる男。
彼は、家族をやしない生きてゆこうとする。
しかし、時代のながれがいやがおおでも押し寄せる。
トロール漁法を使った大型漁業。
もう、ルッツの出る出番はないのである。
男は、こだわり続ける。
生活は、なりたたなくなる。
やがて彼は、そのかたくなさを捨てる時が。
致し方ないと。
たとえそれが、資源の枯渇をはやめるかもしれないけど。
そんな流れに、逆らえないのはしかたない。
そうなっとくさせられる作品です。
ルキノ・ヴィスコンティの『揺れる大地』へのオマージュ
![シチリア島のイメージ画像](https://i0.wp.com/himabu117.com/wp-content/uploads/2022/06/coast-gec04f29d5_1280.jpg?resize=600%2C405&ssl=1)
そう取れる作品。
『揺れる大地』は、シチリア島を舞台とした、漁師の物語。
辛酸をなめつくす漁師一家の物語。
『ルッツ 海に生きる』にはそれに通じるものが、流れている。
しかし、ルキノ・ヴィスコンティは贅沢な監督だ。
彼の家系は、代々貴族の大富豪。
まさに、金に糸目を付けぬとはこのことだろう。
映画の港のシーンなどは、島全体を買い取ってしまったのではと思わせる。
大群衆のシーンには、圧倒される。
いまだと、CGを駆使すれば、そんなシーンは作り出せるだろうが。
そこは、実写だけが持つ真実が、存在する。
もう、あんな映画は、作れないだろうな。
そんなことを考えながら、『ルッツ 海に生きる』を鑑賞するのもいい。
群衆シーンやダイナミックスさはないけど。
時代に対して不器用で愚直な男。
そんな男の生き方に思いをはせるのも、この作品の狙いなのでは。
![](https://i0.wp.com/www19.a8.net/0.gif?resize=1%2C1&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/www17.a8.net/0.gif?resize=1%2C1&ssl=1)
コメント