ーネタバレを含みますー
若かりしときの仲良しグループ、その後離れ離れになってそれぞれの人生を歩みその後は、相まみえることはない。これが自然で、お互いにとってもいいことなんですが。それでは、映画としてドラマにならない、そんな発想からでしょうか、人生のままならぬことを再確認。
お正月には、ピッタリの作品。
仲良し男三人と女性一人の16歳から約40年間の物語。
人生いろいろありますよね。
それにしても、イタリアの若者の元気なこと。(お行儀の悪いこと)
日本もそうなんでしょうが。
そんなワルガキ達の人生やいかに。
まさに正月向きの作品です。
人生映画のようには上手くゆかないでしょうが、せめて正月ぐらいはハッピーエンドで。
ということなんですが。
ちょっと気になるのは。
よく高校の同窓会は楽しい、高校時代にもどって気兼ねなく会話ができる。
なんてことになるんですが。
その時は夢中になって、昔語りを楽しむんですが、家に帰ってふと一人になると、なんかつまんない、面白くないなんて思いが湧いてきた、そんなことはありませんか。
そう、なまじスタートラインが同じだったがために、現在のお互いの立場を比較してしまうんです。
みんながみん幸せとは行かないのが人生。
なんで、俺だけが。
人生は、残酷なんです。
まあそういうことなんですが、映画の中位は、和気あいあいで。
イタリアという格差社会が鮮明に。
注意して見てないと、感じないんですが。
主人公達は、庶民階級。
まあ、イタリアの庶民の生活レベルということではないですが。
お世辞にも、お行儀のいい言葉使いではないし。
感情は、ストレートに表現するし。
このあたり、包み隠さず映像にされてますね。
日本でも、都市部と地方では大きく違うし。
ただ、日本映画は伝統的に、都市部も地方もほぼ等しく大人しい同じような登場人物が多いですね。
このあたり、『離れ離れになっても』は、ストレートに描かれています。
そう明らかに、お行儀の悪い方たち。
これが、自然の姿なんだろうな。
だから、上流階級なるものが明らかにその違いをあからさまにする。
汚い言葉を吐いてサッカーを応援する人たちと、荘厳で格調高いオペラを鑑賞する人たちとの間には、間違いなく、所得も生活レベルも差があると。
庶民の側から描かれたイタリア社会。
そんな、鑑賞方法もなりたつのでは。
庶民階級で生まれたものは、庶民として人生を終える。
これが、アメリカなら努力しだいでという、アメリカンドリームがいまでも僅かに存在するのですが。
家柄とか格式が、重んじられる社会。
映画からもそんな社会の一端を垣間見ることができます。
そんな、鑑賞方法も一考。
まあ、正月といういつもと違う時空が流れるときですから。
いつもと違う、映画鑑賞を楽しむのはいかがですか。
映画『離れ離れになっても』公式サイト:https://gaga.ne.jp/thebestyears/
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