ーネタバレを含みますー
香港映画『縁路はるばる』は、香港映画の新しい流れとして好意的に日本では受け入れられているようですが、私には、中国政府のご機嫌取りに思えて仕方ない。確かに恋愛ラブコメディーの形を借りて香港の魅力を伝えているのだが、この地域は、もっと複雑なはず。
新たな香港映画の登場だそうですが
映画は、遠距離に住む恋人と主人公の物語。
主人公の恋愛遍歴と香港の観光をミックスしたような作品。
あらたな、香港の魅力を紹介した作品と高評価が、並んでいるんでいるようですが。
額面通り受け取ってもいいのかな。
確かに、知らなかった香港の魅力は伝わってくるのですが。
とにかく、政治のお話は一切出てこない
主人公の青年は、IT企業にに勤め。
香港の中では、恵まれた層になるのでしょうか。
民主化運動のさなかは、学生だったはず。
香港返還が1997年ですから、香港で民主的選挙を求めて、学生デモが盛んに行われたのが、2014年の雨傘運動。
香港国家安全維持法施行が制定されたのが、2020年ですから。
主人公の年代は、まさに民主化運動の中心だったはず。
しかし、映画では、そんな話は全く出てこない。
自由で、なんの制限もなく、恋愛に没頭できるハッピーな香港が繰り広げられる。
香港映画の新しい流れとして受け入れられているそうですが
確かに、ラブコメディーとしてだけ見れば、楽しい作品なのですが。
香港の現実が、この通りだとはとても思えず。
いかにも中国共産党が、大喜びしそうな作品になってます。
そう、香港返還から統治まで、全てうまく行っている。
そう思えば思えなくもない作品です。
うがった見方でしょうか。
映画『少年たちの時代革命』を見る限りにおいては、香港の若者の置かれている状況は、ゆるいものではないと思うのですが。
香港観光映画としてみればいいのでしょうが、そうでない一面がこの地域には立ち込めていることをゆめゆめお忘れなく。
映画『縁路はるばる』関連サイト:https://eiga.com/movie/99159/
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