梅雨入りににぴったりのお芝居Youtubeで『東海道四谷怪談』。

歌舞伎の幕歌舞伎・お芝居の世界

自宅で過ごす時間が長いので、面白い歌舞伎ないかと。

ありました、夏狂言の極めつけ、鶴屋南北作『東海道四谷怪談』。

夏芝居といったらこれしかないでしょう、タイムリーにYoutubeにアップされてました。

東海道四谷怪談 [歌舞伎]

昭和31年としか解説がないので、調べてみますと、どうも昭和31年歌舞伎座七月公演のようですね。

歌舞伎座 1956年07月

(以上 歌舞伎データベースより抜粋)

配役は次のようになってます。

配役

女房お岩・小佛小平・女房お花・お岩の亡霊・小平の亡霊 = 中村歌右衛門(6代目)

民谷伊右衛門 = 松本幸四郎(8代目)

薬売直助・直助権兵衛 = 市川猿之助(2代目)

按摩宅悦 = 市川中車(8代目)

小間物屋与七実は佐藤与茂七・佐藤与茂七 = 守田勘弥(14代目)

お岩妹お袖・女房お袖 = 片岡我童(13代目)

孫娘お梅 = 澤村訥升(5代目)

奴可内 = 市川段四郎(3代目)

秋山長兵衛 = 市川八百蔵(9代目)

非人実は奥田庄三郎 = 岩井半四郎(10代目)

赤垣源蔵 = 市川高麗蔵(10代目)

小汐田又之丞 = 市村家橘(16代目)

伊藤喜兵衛 = 中村吉之丞(初代)

お岩の親四谷左門 = 市川團之助(6代目)

(以上歌舞伎データベースより抜粋)

遠し狂言の中の抜粋で、お岩が毒を盛られそして殺害され、その後幽霊となって田宮伊右衛門に現れる、有名な戸板返しの趣向のある場までの約1時間51分の動画です。

昭和31年の画像ですからもちろん白黒、これがまたいいですね

本来歌舞伎とは、天然の光を入れたり、蝋燭で照明をつけていたもの。

明治以降近年になって照明技術の進歩とともに、ライトアップされて上演されますが。

本来は、もっと暗いものなのです。

谷崎潤一郎が『陰影礼賛』の著書の中でふれていますが、近年の歌舞伎は明るくなりすぎたと。

つまり、観客の想像力の入り込む余地がなくなっちゃたんですね。

谷崎が言っているのは、昭和の始めの話ですから、今はもっと舞台は明るくなってます。

これがなにがいけないかというと、例えば「濡れ場」という男女の絡む場面がありますね、ここがうすぐらいと想像力がかきたてられるんですね、見えそうで見えない、いわゆる「チラリズム的要素」それが相乗的に劇的効果となるわけで。

そうなると、今の歌舞伎は明るくショーアップされて、本来の味がそこなわれております

しかし、今回の画像は、白黒ということ、昭和31年ということで、そのあたりの雰囲気がよくでております。

歌舞伎は、何て色っぽいとあらためて感じます

昭和を飾った名優の若かりしころの演技を堪能できます。

7月歌舞伎ということで、夏芝居比較的軽い演目がならぶのと、それぞれの役者が一座をはなれて番組を構成する時期と重なっているのでしょうか、豪華な顔ぶれです。

八代目松本幸四郎といい、六代目中村歌右門といい若いですね、松本幸四郎は現幸四郎のお爺さんにあたりますね。

中村歌右門にいたっては、私が歌舞伎を見始めた昭和50年代初めのころには、すでに一座を構えて、時代物の御姫様の役しかやらなかったので、世話物のこの生々しい芝居は貴重ですね。

二代目市川猿之助も始めてみたし、八代目中村中車にいたっては私の中では伝説の役者で、按摩宅悦の役が、さすがいぶし銀の脇役はまってますね。十四代目守田勘屋のわ若かりしころ、ほんとこの人は気品がありますね。

画面からあふれでる色気

歌舞伎の大きな魅力のひとつですね。

男が女を演じてるのですが、思わず役者に恋をしてしまう

危ない一線なのですが、男が女を演じるというのは不思議な魅力があるというか、つまり女性以上に女を演ずる努力をする、その結果、男がのぞむ色気がデフォルメされるのでしょうか、妖しい美しさですね。

昔は同性愛に関して、ああだこうだということはなかったですから、まあそんな人もいるなぐらいのおおらか感覚で、そんな中で芝居は作られてますので、どうぞ役者に恋してください。

劇場では、芝居を十分に堪能できなくなった時代。

現在はコロナ騒動でいまだ公演の予定は建てられておりませんが、そう遠くなく復活するものと思われますが。

古い画像を見ると、今の歌舞伎の質の低下というか、仕方ないですね

とにかく、役者の層が薄くなりました、芝居は主役よりしっかりした脇役がいて初めて成り立つもの。

残念ながら、この脇役がいなくなったとは言いませんが、しっかりした役者が少なくなりました。

また、名題下と言われる、大部屋の役者さん達が、経済的理由から廃業してゆく数が増えているのも悲しい現実です。

また、昔の画像を見てると、大向こうの掛け声が効いてますね。

やはり、歌舞伎は役者と観客で作るものだなとつくづく感じます。

絶妙な掛け声は、役者をのせ芝居の劇的効果も上がります。

最近は、本当に掛け声かける人が少なくなりました。

劇場職員と思われる人が掛けているのを見るとさびしくなります。

ある時など、掛け声かける人が、私一人なんて時がありました。

残されている画像を積極的に公開してほしい。

NHKにしろ、民放にしろ、松竹にしろ著作権やDVD商品化との兼ね合いもあるでしょうが。

積極的に残ってる画像を公開してほしいですね。

往年の歌舞伎の姿、それを知るにはもはやその方法しかないのですから。

大事にしまっておいても、宝の持ち腐れです。

有料でもいい、ネットという媒体が普及してる昨今。

切に望みます。

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