映画『ノマドランド』圧倒的孤独の中で、本当の自分と向き合えますか?

映画『ノマドランド』のポスター映画館

日本でも問題になってきている下流老人。今アメリカ社会で独りで旅をしながら生活をする老人達が増えています、さあその実情はどうなのでしょうか、明日の日本の姿でもあるのですが、経済的に余裕のない老人達はどうやって生きて行けばいいのでしょうか。

アメリカの下流老人の漂流

原作は、ジャーナリストのジェシカ・ブルーダーによる2017年に書かれたノンフィクション『ノマド:漂流する高齢労働者たち』(邦訳・春秋社)です。

季節毎の仕事を求めてアメリカ中を旅する生活に陥った、年配のアメリカ人の実態が描かれております。

2000年代後半から2010 年初頭まで世界市場で観察された大規模な経済的衰退が、このような老人を多く産み出すきっかけになったと考えられます。

そんな老人の一人をフランシス・マクドーマンが演じております。

夫をなくした、初老の女性のロードムービーがドキュメンタリー風に描かれております。

ひとごとではない、作品

映画『ノマドランド』の一場面

まさに、主人公と同年齢にある私にとっては、切実な問題です。

独り暮らしで年金も十分な金額は期待できず

働けるうちは、仕事をしなければやっていけない現実を考えると明るい老後などとても想像できません。

しかし、主人公は、悲観するわけでもなく、圧倒的孤独の中で、同じ境遇にある老人と仲間をつくり、あるときは助け合って、一台のオンボロバンで旅を続けます。

助け合ってといってもそこは、個人主義のお国柄ですね、情に流されることもなく、あくまでもお互い適切な距離感が存在します。

そのあたりが、日本との違いかな。

ですから当然孤独や自分と向き合わざる負えません

そうであっても、彼らは自由であろうとします。

ここに、生きることとはという根元的目的が凝縮されております。

日本だったらどうなんだろう

少なくとも、アメリカほど強大な広さがあるわけではないので。

仕事を求めて車で移動生活とはならないでしょうが。

おそらく、年をとっても仕事の得られ易い都市部で細々と生きて行くのでしょうか。

それとも少ない年金だけで、やりくりしながら、残りの人生をおくるのでしょうか。

毎朝、パチンコ店の開店の列の先頭にいる、杖をついた老人の姿を目にするのですが。

人生のラストの楽しみがパチンコというのも、寂しい気が。

でもパチンコをする小遣いがあるだけいいのでしょうか。

究極まで生活をシンプルにするノマドたち

キャンピングカーでノマドができる老人は少数派です。

おおくは、少し大きめのバンでの生活、ほとんどが独り暮らしです。

そうなると当然シンプルな生活にならざるおえないでね。

最小限の荷物、衣類、食器などなど。

日本とちがって、RVステーションの発達しているアメリカでは、電源もとれるし、コインランドリーなども隣接してあり、さすが車社会と思わせるのですが。

ノマドはコインランドリー以外あまり利用しない様ですね、あるいは電源は使わないから、低料金にしてもらうとか。

できるだけ彼らは、無料で止められるところで生活してます。

砂漠の真ん中なんてのも劇中ありました。

先輩ノマドに生きて行くノウハウを教わりながら、主人公は旅を続けます。

映画『ノマドランド』の一場面

あることが当たり前の便利な世の中

車上生活では、家に住んでいるときは当たり前だったことが当たり前でなくなります。

特に重要なのは、排泄です。

水洗トイレがいかに現代生活を快適にしているものであると、つくづく感じます。

排泄は、避けてとおれないもの、わたしも20歳まで汲み取り式トイレだったので、水洗トイレがいかに快適かつくづく感じます。

それが、車上生活では、狭い車内で用を済ませ、その後排泄物をかたずけなければならない。

そこで、食事をつくり食べて、そして寝る。生活のすべてがそこで完結するわけですから。

ノマド生活は大変ですね。

それでも彼らは自由を選ぶ

主人公もそうですが、そんな生活から抜け出す機会が何度かおとずれます。

しかし、彼女はそれを選択しません。

可能な限り、親戚や誰かの世話になりたくない

自由を選ぶわけです。

自由というものは、本当に厳しいものだと思います

やはり、ここに日本人とは少し違う個人主義という概念が浮かんできます

現代日本で、都会のノマドを目指す

日本では、この映画のように仕事を求めて季節ごとに移動する必要性は少ないです。

しかし、年金も多くを期待できない、私のような下流老人は、都市型ノマドを目指します

ノマド=遊牧民という意味では、正確な表現ではありませんが。

主人公のように、自由でありたいと思う気持ちは同じです。

ですから、孤独死という言葉がまるで悪いことのように使われるのはいかがなものでしょうか

死ぬときまで自由だった証しだと思うのですが。

ただし、死後何日、いや何ヵ月も発見されないのは後々迷惑がかかります

そのあたり、独居老人安否確認アプリなるものができれば、いいと思うのですが

これから、ますます独り暮らしの老人が増えると考えられます。

その時、自分の生き方、自由を謳歌する生活をしたいですね。

都会のノマド、最小限の生活費でも自由になれる、そんな生活

主演女優:フランシス・マクドーマンのお勧めドラマ。


実力派女優の演技を存分に楽しめます。



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