日本在住のインド人監督のよる日本映画です。賞をいろいろ取っていて話題の映画ということですが、わたしには何処かもどかしさのみが残る作品なのですが、それは見る人それぞれによって違うのでしょうか。
高評価で各国で賞を受賞。
日本在住のインド人監督、アンシュル・チョウハンが日本人スタッフと撮った日本映画です。
タリン・ブラックナイト映画祭でのグランプリ&最優秀音楽賞受賞、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭での国内長編コンペティション部門優秀作品賞受賞、ジャパンカッツ大林宣彦賞など数々の高評価を得た作品の公開です。
まだまだ、上映館は少ないですが、今後広がってゆくものと思われます。
主題は、後悔の念を浄化、過去への懺悔でしょうか。
というのも、映画を見始めて、中々この主題が見えてこないのです。
過去の日本軍で青春期を過ごした人間が、天寿をまっとうし亡くなった後、その遺品の中から、彼の戦時期における無念さ、後悔あらゆる入り混じったものを探りだす作業が展開されるのですが。
中々その主題が見えてこないもどかしさが、残念です。
過去の、日本軍の軍隊生活における理不尽さ、残酷さとでもいいましょうか、そのあたりの表現が断片的でもう一つ説得力に欠けます。
日本の田舎の恐ろしいまでの退屈さは、よく伝わってくるのですが。
ですから、登場人物たちの行動が今一つ理解できないままラストまで行きます。
ラストまできて、テロップが流れ監督のコメントが出て初めてそうだったのかとわかるのですが。
そこまでの映像や主題の表現にもっと説得力が欲しかったです。
遠まわしの表現のもどかしさ
先ほども述べた様に、最後の監督のテロップで理解というのも寂しい話です。
まあ、私の感受性が足らないのでしょうが、
もっと、作品の主題に対して直線的であってほしいと言うのが、率直な感想です。
でないと、作者の言いたいこと、軍隊生活で青春期を奪われた者の口惜しさ、憤り、やるせなさ、懺悔あらゆる説明のできないものも含めての無念さが伝わってきません。
最終的には、戦争というものの残す傷跡の大きさというところまでたどり着くと思うのでしょうが。
ご覧になる方は、そのあたりの感想を含めてお話頂ければ幸いです。
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