没後40年 映画監督 五所平之助 国立アーカイブスでその作品を楽しむ

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国立アーカイブスで開催された映画監督五所平之助特集から2作品を紹介いたします。日本映画界の黄金期の巨匠監督でありその後のテレビドラマにも大きな影響を与えた五所平之助。その足跡をたどってみるのはいかがでしょうか

2021.10.19~2021.11.23開催

同期に小津安二郎がいる、日本映画界の重鎮。

有名なのは、1931年の日本初の本格的トーキー『マダムと女房』であろうか。

今回没後40年という節目に大々的に回顧特集の上映が行われました。

まさに日本映画界の黄金期を支えた巨匠の作品を二本堪能いたしました。

『蛍火』1958年作

幕末、坂本竜馬の京都の定宿「寺田屋」の女将・登勢の半生を描いた作品。

出演は登勢に淡島千景、その夫に伴淳三郎。

五所平之助初の時代劇であり、唯一の時代劇です。

広大なセットから感じる、実に予算を使った作品。

京都伏見にある宿屋「寺田屋」。

京都という都の洗練された雰囲気がよく出ています

淡島千景の丁寧な演技、道楽に明け暮れる夫に伴淳三郎の飄々とした演技。

そこに絡んでくる、田舎者で荒削りな坂本竜馬。

この対比が、よく出ています。

京都の街という、たおやかな空間、そこに営む夫婦。

時代が大きく変革する空気を持ち込む坂本竜馬

見事に描き切っております。

国立アーカイブス参考資料:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/gosho202109/#section1-2

『白い牙』1960年作

井上靖原作の映画化。

主人公は、夫婦生活の破綻した両親を憎んでおり、その反動で自分は真実の愛を求める。

しかし、妻のある男性を愛してしまうと言うお話。

まさに、純文学の人間とはという命題に真正面から取り組んだ作品とでも言いまか

この時代の流れなんでしょうか。

どうも純文学は苦手なので。

人間とは、所詮わからない者と考える、私としては。

少々肩の凝る作品。

舞台設定も、林と沼のある邸宅に住む一家なんですが。

そんなところに住めるのは、日本の人口の何パーセントなのかなんて考えてしまいまして。

なんか、お話に現実感を感じられないと言いますか。

この時代の作品に多いですよね、中産階級ということなのですが。

本当に、いるのだろうかなんて懐疑的になる舞台設定。

まあ、現代の表現では味わえない作品ということで、お楽しみください。

国立アーカイブス参考資料:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/gosho202109/#section1-1

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