香港が、中国に返還されて25年。ああもうそんなに立ってっしまったのか、25年前のあの日香港の人は何を考え、何をしようとしていたのっだろう。いや一般庶民はただ、国際政治のターニングポイントを受け入れるしかなかった、そんな憂鬱が画面から溢れてきます。
1997年香港返還に伴う、香港人の憂鬱
作品を一言で話すとそう言うことになるのでしょうか。
主人公は、返還前は英国軍の兵士。
ただ、返還により失業してしまう。
返還を祝うムードとは当然別世界にいる人。
結局、兵士仲間と銀行強盗。
今だと、こんな作品は作れないだろうな。
返還の祝典パレードと共に、香港に入場してくる人民解放軍。
まるで、これからの支配者は、我々だと言わんばかり。
映画の中で、返還を祝う祝典花火の場面が、象徴的に印象に残ります。
1997年中国に返還されるまで英国領だったのですから。
まさに、価値観の変化を求められるわけですから。
祝典に沸く香港人には、一抹の不安とお祭りムードと入り混じった空気。
そのあたりが、失業した元軍人の主人公を通して、上手く描かれております。
香港のこれから
返還から25年がたとうとしています。
少しづつ、香港の中国化が進んでいる現実を今の私達は、感じているはずです。
経済的余裕のある人達の海外脱出は、止まりません。
ジャッキー・チェンの様に中国に取り入るか。
デニス・ホーの様に、弾圧されても自由を叫び続けるか。
脱出できる人はいいのですが、それができない庶民は、否応なく中国を受け入れる以外方法はないのが現実。
中国と言う大国のとどまるところを知らない野望。
そんな現実を目の当たりにする昨今。
我々とてこの隣人とどうお付き合いしてゆくのか。
『花火降る夏』を見ると、そんな国際政治のターニングポイントと香港の自由な空気が、やけに懐かしく感じます。



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