ーネタバレを含みますー
ニュージーランド映画『ドライビング・バニー』映画の主人公にどれだけ感情移入できるかで、その映画の評価は人それぞれ違ってくる。生活保護の片親家族の再生物語。主人公のつらい気持ちはわかるのですが、今ひとつ納得できない、でもそれが福祉の現場かも。
社会のセーフティーネットから漏れそうになる
虐待の父親から娘を守るために夫を殺害してしまう。
更生した母親は、娘と息子と暮らそうとするが、自らの生活の糧がない。
そこで、社会福祉の助けを借りるわけですが。
当然のことながら子どもたちは、里親に預けられます。
母親は、とにかく家族で暮らしたい一心で、無茶な行動にでる。
そんな、母親にあなたは共感できますか。
そのあたりが、この映画の評価の分かれ目になるのではないでしょうか。
最後まで、感情に支配されて冷静さを欠く母親にハラハラさせられる。
15歳の息子のほうが、よっぽど冷静で、自らの状況を理解している。
大まかな作品の流れは、以上なのですが。
映画の舞台ニュージーランド
一般にオーストラリアとニュージーランドは、生活水準の高い国とされております。
そして、教育水準も高く、留学先にこの2つの国は、人気があります。
そんなイメージからすると、映画の主人公は、低所得者となるのですが。
どこの国にも格差はあるものでしょうが。
普段、あまり馴染みのない国なので、この映画の主人公の話が、まれにあることなのか、この国では当たり前なのかの判断は、正直できません。
多分これが、アメリカ映画なら、こんなこともあるだろうなと納得してしまうのですが。
作品になると、これが真実だと思ってしまう。
作品の設定、作品としての面白さ、このあたりを追求するがあまり、現実と大きくかけ離れてしまう。
映画作品ではよくあること。
是枝作品の『万引き家族』にしても、あれが日本では当たり前にあるとは思えない設定で。
といいますか、少々無理のある設定かと。
でも、外国の方からしたら、「ああ、日本てああいう国なんだ」と思ってしまうわけで。
『ドライビング・バニー』もその点、この作品だけで、ニュージーランドという国を判断してしまうのは、ちょっと無理だと。
どの国にも人による民度の差というものはあるわけで。
それが、同じ国の中にあっても地域によっての格差であったり。
そう簡単には、外からは判断しかねる問題だと思うのですが。
少なくとも、この映画の主人公にかんしては、あまりレベルの高いとは言えない行動が。
そんなところを考えてみると、主人公にどれだけ感情移入ができるかで、この作品の自分なりの評価は分かれるのではないでしょうか。
映画『ドライビング・バニー』公式サイト:https://bunny-king.com/
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