映画館

映画『帰れない山』社会とは何故か折り合えない、そんな方に送る作品

映画『帰れない山』自分が何がやりたいかわからない方、やがて何処かにたどり着くのでしょうがそんな主人公と少年時代の友人の二人のその後。自分探しの到着点はどうなったのか、頑固な友人の無骨な生き方と合わせて、人生の一部を垣間見る思いです。
歌舞伎・お芝居の世界

古くて新しい「文楽」元禄時代にタイムスリップできます紛れもない芸術

江戸時代にタイムスリップする楽しみが歌舞伎にはあった、まるで目の前に江戸時代が広がった。お客を呼ぶがために超歌舞伎やアニメとのコラボで江戸時代のテイストは壊れてしまった。もう歌舞伎役者に期待はできない、残されたのは頑ななまでの伝統維持の文楽。
映画館

映画『オオカミ狩り』心臓の弱い方と食事前の方はやめたほうがいいかも

残酷シーンの得意な韓国バイオレンス『オオカミ刈り』、まさにこれでもかとおぞましシーンのてんこ盛り、終いにはなれてしまうという感覚の麻痺を覚える作品。ただ、残酷なだけだとつまんないだけど、そんなことはお構いなしに血しぶきを撒き散らしながらラストまで
映画館

おしゃれな街パリを舞台に『パリタクシー』最高の人生をあなたに

「川の流れのように」という歌がある、人生が川の様に流れてしまっては、何も残らないのではと。映画『パリタクシー』はまさに、人生は積み重なるものだとつくづく感じさせてくれる。そうその積み重なった人生を振り返るのは、最後の最後でいいのだ、そこまでは、ただ走り続けて。
映画館

『高速道路家族』う〜ん『万引き家族』の二番煎じか、いやそんなことは

『万引き家族』が高い評価を得るんだけど、ホントかなと思ってしまう。日本社会もう少しマシだよと。『高速道路家族』は二番煎じ感は否めないけど、出口のない韓国社会の閉塞感から来る不条理を描き出したところが優れている。
映画館

『レッド・ロケット』元ポルノスター男優の奮戦記アメリカの格差社会

日本にはかつて「食い詰め者」という言葉があった。映画『レッド・ロケット』の主人公もそういうことなんだろうけど、一発逆転を狙っている。アメリカ社会の下層からのメッセージなんだろうか。なにか悲しものを感じてしまうのは、私だけだろうか。
映画館

『聖地には蜘蛛が巣を張る』なんとも直訳的題名、中身はピカイチです

中東イスラム圏の複雑な女性蔑視『聖地には蜘蛛が巣を張る』、鬼才アリ・アッバシは、娼婦連続殺人事件を題材にイスラム圏の女性の地位、社会の問題をあぶり出した。病める心と大義とその境界の危うさを思うとき、何が正しいのか。社会の抱える病巣は深い。
映画館

『KNOCK終末の訪問者』こうも聖書解釈がいい加減な作品は問題外

見てる者をある程度納得させないと、ただ独りよがりになってしまう。作者が、聖書をどう理解しようが勝手ではあるけれど、どこをどう解釈したらこのような作品になるのか。あるいは、作者の狙いはあくまでも聖書を素材として新たな物語を構築しようとしたのか。
映画館

『青春弑恋(せいしゅんしれん)』台湾映画の新星透明感としなやかさ

印象派の絵画のような映像、ショパンの「ノクターン」なかなか憎い演出。アジア的であり日本的でもある繊細な描写が印象的だ。西洋文化とは明らかに一線を画すそんな世界を見事に映し出してくれた。登場人物ひとりひとりに寄り添えるそんな時間を共有できる。
映画館

『トリとロキタ』アフリカ難民を待ち受ける現実辛、ここまで来たのに。

ーネタバレを含みますー 『ある子供』『少年と自転車』のダンテンヌ兄弟の最新作『トリとロキタ』ヨーロッパにおけるアフリカ難民の過酷な現実を少年と少女の絆を中心に描いてます。カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を取ったそうですが、話の展開には少々...